月1体験会
はこちら
ご予約
前回の記事「ダンサーに必要な能力って?」で述べたダンサーに求められる身体機能、それはアスリートに求められる機能と類似しています。
ダンサーがアスリートと明確に異なる点、それは『表現』に特化している所であり、なによりも芸術性を優先している所にあると言えます。
つまり、
解剖学的・運動学的に正しいとされている姿勢・身体の使い方 = ダンスの世界での美しい姿勢・美しい身体の使い方
にならない事があるという事です。
例)バレエの基本姿勢(1番~5番)は股関節を外旋させたポジションとなっており、この姿勢が美しいとされています。
・股関節が外旋した状態から動き出す事で、筋の主従関係が変わる事で、股関節の使い方が変わります。
・万が一股関節外旋の可動域制限がある場合は「プリエ」の際、膝関節や足関節への負担が増大し痛みの原因となります。
ダンスの世界では表現、芸術性等、見た目の美しさを優先するあまり、身体が出来上がってない状態から無理な態勢や主要関節以外に負担がかかる動きを続けるダンサーが多く、怪我や事故、身体の不具合を抱えるダンサーが多くみられます。
これには、解剖生理学、運動学などの身体の知識が不十分なインストラクターの指導を受けている、身体が出来上がっていない状態でテクニックに注力してしまう、身体のコントロールが不得手な方に多くみられます。
例)股関節の可動域が不十分な状態のダンサーに対して「膝を伸ばして」「つま先を外に向けて」などの抽象的な指示や多関節に無理な動きを指導する。
股関節の動きが必要な場面で、つま先や膝で無理なコントロールを行い見た目だけできているように見せている。
この問題を防ぐ為には、身体に対する正しい知識、正しいストレッチやエクササイズ、故障が発生するメカニズム、注意点、リスクを知る必要があり、自身の身体の癖、使い方を理解しコントロールする力(技術)が必要になると考えます。